藤岡佑介の逃げ成績
今年のダービーには注目の逃げ馬が2頭。
弥生賞1着・皐月賞2着のタイトルホルダーとニュージーランドT1着・NHKマイルC落馬のバスラットレオン。
ハッキリ言って落馬するかどうか、どんなペースになるのかはゲートが開いてみなければわからない。
乗ってる本人たちもそうなのだから予想のしようなどないのだが、すんなり逃げたときにどんな判断をする性格の騎手なのかは過去のレース傾向から予想できるかもしれない。
ちなみに上記は2017年~現在までの藤岡佑介が逃げた時の成績。
(以下のすべての数字も2017年~現在の期間で集計)
単回収率も複勝回収率も100%を上回っている。
黙ってベタ買いする方が良いという結論になるが、まあそれはそれとして。
逃げ馬で8枠に入ったとき藤岡佑介はどうするか?
よりによってバスラットレオンと藤岡佑介は大外枠に入ってしまった。
前走のスタート落馬以来、本当にツイてない。可哀そうになってくるが、本題はそこではない。
矢作調教師から絶対逃げのオーダーが出ているようだが、逃げ馬で8枠に入った藤岡佑介は本当に逃げるのか?
これは藤岡佑介が「2400m以上」のレースで「8枠」に入った「前走逃げた馬」に騎乗した際の成績。
この条件にあって、10回中6回は逃げた。2番手につけたレースも2回あり、大外枠であろうと前に行く傾向は見て取れる。
参考までに藤岡佑介の枠別逃げ成績。当然だが大外8枠での成績が一番悪い。これは騎手の腕がどうこうではなく、単純に枠の不利であろう。
というより藤岡佑介は逃げの成績が良い騎手なんだという感想が一番だろう。
藤岡佑介はスロー逃げをしない?
性格があらわれるのは、逃げのペースであろう。
藤岡佑介が2000m以上で逃げたとき、その割合が最も多いのはミドルペース(RPCI47.0~57.0)であった。
ましてやマイルを使われてきたバスラットレオンでの逃げとなれば、かつてのリオンリオンような大逃げもありえる。
熱心な競馬ファンなら、年齢のわりに藤岡佑介がそういう逃げをする騎手だという認識があるのではないか。
例えば2018年の朝日杯フューチュリティS。5番人気のビアンフェは戦前から距離不安が囁かれるスプリンター。
メンバーの脚質・能力的にも「ビアンフェと競り合ってでもハナ」という馬はおらず、ましてや2歳馬。今後も見据えて折り合い優先でゆっくりいこう、と考えてもおかしくないが、藤岡佑介は前半3Fを33.8秒というハイペースでレースを作った(結果7着)。
こういうタイプの騎手だと思った方が良いのだろう。
特に夏競馬で力を発揮するタイプであり、藤岡佑介の北海道シリーズでの良績がその証明だろう。
さて、2019年のダービーはリオンリオン横山武史が暴走するように逃げ、はなれた2番手につけていたロジャーバローズがハイペースで押し切った。
もし同じようなレースになるなら、ロジャーバローズのようなハイペース耐性がある先行馬をおさえなくてはならない。
2019年のダービー前に「ロジャーバローズの前走京都新聞杯のラップはすごい!あのペースで2着に残れる馬は只者ではない」という書き込みがネットで散見された。
ちなみにこれが、その京都新聞杯のラップ。2F目が10秒台で、4ハロン目からラスト1Fまでラップが緩むことなく、ラスト1000mからは加速している。
2200mのレースでありながら、1800mのような異常なペースであった。
そんな異常なペースで好走した馬が、近年のダービーで最高の好走枠である1枠1番に入ったのだからどんな人気だろうが「絶対に買い」だったと言われている。
さて、今年のダービーはロジャーバローズ並のハイペース耐性馬が見当たらない。しいてあげればきつい流れになるほど着差を広げているエフフォーリアだろうか。
そしてそのエフフォーリアが今年は1枠1番をひいた。
騎手がリオンリオンの横山武史というのも因縁だろうか。
タイトルホルダー田辺はどうする?
藤岡佑介がペースを緩めない逃げタイプだとすれば、田辺は真逆。緩めるタイプの逃げを打つ騎手だ。
これは2400m以上で田辺が逃げた時の成績だが、6回しかデータがないとはいえ複勝率0%はなんとも。
しかし特筆すべきはその少ないサンプルの6回中4回はRPCIが58~62、つまりスローペースで逃げていることだろう。
積極的にハナを叩く馬がいれば必ずゆずる。
バスラットレオンがスタートからどんどん行ってしまえば、田辺は必ず内でハナを主張せずに控える。
それが吉とでるか凶とでるか。
バスラットレオンがリオンリオンしたならば、ロジャーバローズの位置にいるとはタイトルホルダーの可能性が高い。
ただ田辺がタイトルホルダーを、ロジャーバローズよりもっと馬群に近い位置で折り合わせようとする可能性も同じように高いだろうが。
ともかく、ラップ傾向からその騎手の性格を推察するというのも予想の楽しさのひとつであろう。
個人的な人物評として、田辺は天邪鬼。世間が「こうするはず」「こうしてほしい」の逆のことをやる。
アルクトスでそれを思い知った人も多いのでは。
それを思うとタイトルホルダーが馬群の外目の中途半端な位置で競馬して沈んでいく未来が見えるような気もする。
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