目次
冬の中山ダート1200m未勝利クラスの特徴
コースの特徴
スタート地点は向正面2コーナー奥の芝地点。最初の3コーナーまでの距離は約502m。緩やかな下り坂を駆け下りる。最後の直線距離は308mで、中央4場の中では最短。ゴール前には約2mの上り坂がある。フルゲートは16頭。芝コーススタートの上、緩やかながら下り坂を駆け下りて3コーナーに飛び込むため、テンから非常に加速がつきやすい。(JRA-VANコース解説より)
冬開催(12月・1月)の特徴
太平洋側に位置する千葉県・船橋市にある競馬場だけあって、冬は降水量が少なく乾燥しがち。過去5年のデータでもそれはあきらかです。
2016年12月3日と同年12月23日の2回しか、中山ダート1200mで重馬場の未勝利戦はおこなわれていません。原則良馬場、しかもパサパサでパワーを要するダートでレースがおこなわれるイメージで間違いないです。
未勝利クラスの特徴
未勝利クラスで1番人気の勝率は全体平均より少し高い(全体平均勝率約33%)。
というよりも、未勝利クラス以外のクラスで1番人気の勝率が低いというべきでしょうか。
さらにこの時期の未勝利クラスの馬柱でよく目につくのが、前走芝を走っていた馬。
この時期に未勝利クラスに出走したのべ1638頭中505頭、およそ30%の馬が前走芝のレースを走っていたことになります。
同時期の芝の未勝利クラスにした「前走ダートレース出走馬」がおよそ12%であることと比べてもその割合が多いことがわかるでしょう。
これについては詳しくは後述の特記事項にて。
好走データ
冬の中山ダート1200mの未勝利クラスが得意な騎手
本来なら、横山と戸崎の間にO.マーフィーと蛯名正義が入るのだが、マーフィーは今年来日せず。蛯名は2月で騎手引退なので、ランクから外しました。
田辺は2021年になっても相変わらずこの条件で勝っていますが、横山あたりは今後どうなのでしょうか。むしろ2020年に関東リーディングを最年少で獲得した息子の横山武史の方がランクをあげてくることが予想されます。
戸崎圭太も複勝率は高いですが、単勝回収率も複勝回収率も100未満。
騎手の名前だけで買う・買わないを決めるべきではありませんね。
それなら当日好調な騎手を買う方がまだ可能性があるといえるでしょう。
冬の中山ダート1200mの未勝利クラスが得意な種牡馬
順当にダート短距離界の常連が上位に名を連ねていますが、3位フレンチデピュティの産駒はもう数が少ないので、この条件に出てくることはほとんどないでしょう。
2位のパイロは回収率があまりよくないですね。しっかり勝ち上がる力があっても、パイロというダート短距離ブランド血統ゆえに配当が安くなるのがその理由でしょうか。
時代を担う、という意味ではランク外の4位でしたがアジアエクスプレスが注目株です。1位のヘニーヒューズを父に持つアジアエクスプレスの産駒は昨年デビューしたばかりにも関わらず、この条件での3着内数は1位ヘニーヒューズ、2位のパイロと遜色ありません。
今リーディング上位の馬より10歳以上若いこともあり、まず間違いなく次世代のダートリーディングサイアー最有力候補でしょう。
冬の中山ダート1200mの未勝利クラスの好走枠
よく「中山ダート1200mは外枠有利!」と言われますが、確かに8枠の複勝回収率は100を超え、7枠の複勝率はトップです。
ただ勝率の低さと、それに伴う単勝回収率の低さが気になります。
今回の「冬の中山ダート1200mの未勝利クラス」に限って言えば、4枠・5枠・6枠という中枠が狙い目のように見えます。5枠・6枠は単勝回収率こそ低くなっていますが、単勝適正回収値は100を超えています。
(単勝適正回収値…単勝を均等に購入した場合の数値をあらわす回収値とは異なり、例えば毎回1万円の払い戻しを受けるように賭け続けた場合の回収値。Targetの作者の方が取り入れた概念。詳しくはこちらを参考にどうぞ(Targetオンラインヘルプ))
そして内枠の成績は世間の評判通り壊滅的。特に2枠・3枠はわざわざ頭では買えません。
冬の中山ダート1200m未勝利クラスで前走激走した馬・凡走した馬は買えるのか
前走激走馬は買えるのか
前走コースを問わず、9番人気以下で2~6着と好結果を残した「激走馬」の成績です。
前走人気薄で好走した馬をもう一度買うことに妙味があります。
特に回収率が良いのは、今走の人気が1~3番人気のグループと、9~11番人気のグループ。
上位人気になっていても嫌わずに、軸で買えます。
一方10番人気前後の低評価だとすれば、頭こそないものの、ヒモ穴期待値はさらに高まります。
総じて前走激走馬は買えると言えますね。
前走凡走馬は買えるのか
買えます。買える条件はあります。
以下の3つに該当する馬です。
ちょっと複雑かもしれませんが、簡潔に言うと「前走そこそこ人気になって惨敗した馬が、また連続で同じコースにでてきて人気がない」状態。
意外と見かけませんか、こんな馬。
穴になることが多いのはこのパターン。同コースで凡走して人気を落とした後に、コース・距離をスライドさせて激走するこの「凡走スライド」パターンは、いろんなコースで通用しますが、この冬の中山ダート1200mでも有効でした。
前走同じコースで負けている分、手が出しづらい気持ちはわかりますが、同じコースを走っているということは「スタッフは改善点を見つけ、馬はコースに慣れた」可能性があるということ。
ただ負けているわけではないのです。そう思ってみると、直前同じコースで凡走している馬が魅力的にみえてきませんか?
今回の条件でいうと、オッズが80倍以上ついている馬は、前走の負け方が根本的な能力に原因があるものだというケースが多いので、そこにラインをひきました。さすがに単勝300倍、400倍の馬はそうそう馬券に絡みません。(ちなみにこの条件で単勝100倍以上の馬が馬券になったのは、2017年12月23日にビクトリーゲートが2着したのが直近です。ちなみにちなみに次走は同コースで5番人気5着。実は激走後はこのあたりの人気が一番買い難いオッズです。)
特記事項:芝→ダート替わりは基本NG。しかしダート替わりを狙えるパターンはある!
前走芝レースを使って、今走ダートに挑戦する馬の成績は悪いです。
その大半が「芝のスピード勝負で全く通用しなかったのでダートに目先を変えてみる」というタイプだからであり、全体の平均オッズが100.2倍のところ、前走芝を使った馬の平均オッズは110.1倍と約10%高くなっていることからもあきらかです。
このように、前走芝に出走していた馬の成績は、前走芝の場合とダートの場合を合わせた全体成績の半分以下の成績しかありません。
しかし、だからと言って全体の約3割にあたる前走芝レース出走馬を全部無視するわけにもいきません。 そこでこういうフィルターをかけてみます
先ほどの凡走スライドの応用的なフィルターです。
坂のあるレースは経験は評価しつつ、「芝で負けただけでダートはまだ分からないよね」というスタンスです。
複勝回収率が129%ありますので、3連複や3連単のヒモにはよさそう。
逆に、前走芝で坂道のあるコースで1番人気で負けた馬が、また1~2番人気ででてきた場合はどうでしょうか。
軸にできる数字が並びましたね。
こういうタイプは、調教が抜群に動いているので、芝で負けてもむしろダート向きと思われ連続で支持されていることが多いです。
そしてそれは結果的にほとんどの場合正しいということを数字が証明しています。無理に逆らわず馬券を組み立てましょう。
(但し出現数が少なく、冬開催のうち1~2頭しか出走してきませんが)
有効な予想テクニック
本命決定の際に活用
未勝利クラスだけあって、単純に前走の走破タイムが優秀な馬はよく馬券になります。
Targetの補正タイムやnetkeibaのタイム指数、競馬ブックのスピード指数など、走破タイムをもとに算出した指数ならどれでも構いません。優秀な走破タイムを記録した馬は、ほぼ同じように優秀な指数になっているはずです。
ただし、その指数を記録したのが新馬戦であったり、後方からの追い込みであった場合は少し注意が必要です。これらは取りこぼしが散見されます。穴狙いならそれでも良いのですが、指数が高い馬は人気になりやすいので取りこぼし要素が多い馬は軸に向きません。
また同時に枠傾向からも内枠は軽視。外枠も内枠ほどではありませんが、盲目的に買うのはやめましょう。 特に「芝→ダート替わりの人気馬が外枠に入って4~5着」ということがありがちです。
ヒモ穴決定の際に活用
それぞれは有効なのですが、【激走スライド】は少し期待値が下がります。
つまり前走同コースで激走した馬が同じコースに出てきたパターンですね。
3連系フォーメーションでいえば、2列目ではなく3列目下げるようなイメージでいいと思います。
また、登場頻度でいえば【前走激走】で今走も人気がない馬よりも、【凡走スライド】で人気がない馬の方が多いでしょうか。
積極的に探してみましょう!
最近の該当馬柱例
2021年1月16日(土)中山1R ダート1200m 未勝利クラスに出走したノーブルハーバーの馬柱。
前走同コースの新馬戦を6番人気で9着し、今走11番人気(単勝57.4倍)での出走でした。ずばり【凡走スライド】ですね。同コースの新馬戦を平凡なタイムで入着して人気になっているぐらいなら、【凡走スライド】を狙った方が圧倒的に期待値が高いです。
ノーブルハーバーはこのレースで見事に1着となりました。レース後に騎手が「前走は走りがバラバラでしたが、今日はうまく抱えるように競馬できました」とコメントしている通り、前走同コースでの経験をうまく活かした好例といえるでしょう。
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