目次
冬の中山芝2200mオープンクラスの特徴
コースの特徴
スタート地点は4コーナーを曲がり終えたホームストレッチの右端。芝2000mのスタート地点から少し右に移動したところからの発走となる。最初の1コーナーまでの距離は約432m(Aコース時)。そこから外回りコースを使うため、2コーナーまでは直線に近い緩やかなカーブ。向正面の山の頂上から3~4コーナー中間までも、非常に緩やかなカーブを通ることになり、スピードに乗りやすい。最後の直線距離は310mと、中央4場の中では最短。なおかつ、ゴール前には高低差2.4mの急坂がある。(JRA-VANコース解説より)
冬開催(12月・1月)の特徴
太平洋側に位置する千葉県・船橋市にある競馬場だけあって、冬は降水量が少なく乾燥しがち。
芝にとって土壌の乾燥は生育を阻む要因ですが、JRA馬場造園課の適切な散水や管理によって特に近年は冬だからと言って芝が極端に荒れることはありません。
ただし、もちろん開催が進むにつれコース内側の芝に傷みがでてきます。
この5年間でオープンクラスの芝2200mの80%が良馬場でおこなわれました。
この条件で重・不良でおこなわれたのは最後は2012年1月22日のAJCCまでさかのぼります。(勝ち馬:ルーラーシップ)
この年は前日の土曜日から日曜日の昼過ぎまで雨が降り続きました。
一方、近年関東平野部では1月はあまり雪は降りません。
むしろ2月や3月に雪による開催中止がおこりがちです。
オープンクラスの特徴
冬の中山芝2200mでおこなわれるオープンクラスのレースは、1月のAJCC(アメリカジョッキークラブズカップ)(GⅡ)の1レースだけです。
有馬記念出走組や有馬記念をパスした菊花賞・エリザベス女王杯組といったGⅠクラスのメンバーと、GⅡ・GⅢの常連組が人気の上位を形成します。
オープンクラスで1番人気の成績は、勝率・連対率・複勝率すべて高くなっています(全体平均勝率約33%)。
この条件では「まず1番人気からどう買うか」から考えるべきです。
余談ですが、1勝クラスの1番人気成績がひどいですね…。
※この条件での新馬戦はおこなわれていません。
好走データ
冬の中山芝2200mのオープンクラスが得意な騎手
近5年で3回以上AJCCに騎乗している騎手自体が少ない中、ルメールは皆勤賞でこの成績。うち1頭は競争中止だったので、実質4頭中3頭で連対しているようなもの。
連対時の騎乗馬もスーパームーン、フィエールマン、ステイフーリッシュというように、1頭のスーパーホース頼みの成績でもありません。
連軸としてなら、ルメールを指名買いができる数字ですね。
冬の中山芝2200mのオープンクラスが得意な種牡馬
近5年で6頭出走し、1-2-0-3の成績はさすがのディープインパクト。
2位のマンハッタンカフェの数字は、シャケトラの激走によるものです。
冬の中山芝で必ず注目されるステイゴールドは、0-1-2-8で連対率9.1%・複勝率27.3%。複勝回収率は110%ですので、無理に嫌う理由はありません。
ただ盲信するほどの数字ではありませんね。
冬の中山芝2200mのオープンクラスの好走枠
1枠の成績の悪さは目につきますが、他は極端に差を見出せません。
このように枠ごとの平均着順と平均人気を見てみると、枠ごとの差が少しはっきりしてきます。
1年を通してクラスを分けずに集計したデータを見ると、中山芝2200mは1枠と8枠の数字が悪く、多くの予想家が「極端な枠に入ったら注意!」と言っているにも関わらず1枠の平均人気も平均単勝オッズも2番目に支持されています。
このことからもそれなりの実績馬が1枠に入っても、あえなく敗れ去っていることが明確なので、とにかく内枠は軽視すべきでしょう。
逆に平均人気より良い平均着順を記録しているのは、4枠・6枠・7枠・8枠。なかでも4枠と6枠は1.4以上も人気より着順をあげています。
平均単勝オッズも上位なことから、人気上位馬が真ん中の偶数枠に入ったら購入候補と言えます。
冬の中山芝2200mオープンクラスで前走激走した馬・凡走した馬は買えるのか
前走激走馬は買えるのか
前走コースを問わず、9番人気以下で2~6着と好結果を残した「激走馬」の成績です。
過去5年でこの条件に該当する馬は7頭で、馬券になったのはタンタアレグリアのみ。
タンタアレグリアの前走は天皇賞・春で、10番人気4着と激走。AJCCは38週の休み明けの勝利だったので、前走の勢いが直結したとは考えられません。
この年の上位人気は以下の通り。
2番人気 ミライヘノツバサ(前走同コースの準オープン勝ち。)
3番人気 リアファル(神戸新聞杯勝ちはあるものの、前走骨折後49週ぶりの金鯱賞5着からの出走。)
というように、GⅡ・GⅢ組が人気になっていて、相手が手薄でした。
重賞勝ちこそなかったものの、GⅠ・GⅡレベルで上位の成績をおさめていたタンタアレグリアとの能力比較からアプローチするべき状況だったのでしょう。
「前走激走馬だから買う」というより、別のアプローチを活用した方が良さそうです。
前走凡走馬は買えるのか
前走人気より下の着順に敗れた馬で、今走も全然人気がない馬は買えません。
今走上位人気に支持されているようなら買えます。
前走人気より下の着順で、今走はさらに人気を下げた。
しかしそれでも単勝オッズが10倍未満なら、好成績…。
この数字の原因は、前走1~4番人気で負けて、今走2~5番人気だった馬の成績によるものだからです。
このブログが探している、「前走そこそこ人気で大敗し、今走全然人気がない馬」による成績ではありません。
中穴、大穴人気の前走凡走馬は素直に買い目から外しましょう。
特記事項:前走不利な展開で好走した馬を狙え!
競馬予想のセオリー通りの考え方ですが、1番人気が強いコースだけあって、「強い馬が順当に実力を発揮しがちな条件でおこなわれるレース」であるという認識が必要です。
さて、前走不利な展開には基準があるのか、という話ですが、ここではTargetのPCIを利用します。PCIとはペースチェンジ指数の略で、後半3ハロンの位置を分岐点として、その馬がどんなペースで走っていたかを数値化したものです。(詳細はこちらからどうぞ:Targetオンラインヘルプ)
そして、そのレース全体のPCIの平均がRPCI。
上位3頭のPCIを平均したものがPCI3。
わかりやすくいえば、RPCIとPCI3の数値差が小さければ前残りの展開。
逆にRPCIとPCI3の数値差が大きければ前潰れの展開ということです。
つまり、RPCIとPCI3の数値差が小さいレースを差して好成績をあげていれば、差し馬にとって不利な前残りの展開をものともしなかったということ。【PCIショート】
逆にRPCIとPCI3の数値差が大きいレースを先行して好成績をあげていれば、
先行馬にとって不利な前潰れの展開で粘り切る実力があったということ。【PCIロング】
いずれも単純に着順・着差以上の価値を示しているレースと言えるのです。
冬の中山芝2200mのオープンクラスでは、前走このようなレースをしている馬を順当に評価できます。
例えば2016年のAJCCで8番人気3着だったマイネルミラノは、前走中山金杯を12番人気11着とこれだけでは見せ場がなかったように思われますが、中山金杯はRPCIとPCI3の数値差が大きい追い込み馬向きのレース展開でした。
それをマイネルミラノは早めに動き、3コーナーを先頭でまわりながらも僅か0.6差で最後も我慢していました。
このようにPCIからそのレースと馬を分析することが、今走買うべき馬の選定に役立ちます。
有効な予想テクニック
本命決定の際に活用
上位人気で同コース実績があれば信頼度はさらに高まります。
ヒモ穴決定の際に活用
PCI的に買える馬を見つけた場合、人気薄の方が積極的に買えます。
これに該当する馬はレース振りからも評価されやすいので、上位人気馬は過剰人気になることもあります。
前走強いレースしているのに人気がない、という穴馬探しの意識も忘れずにもちましょう。
最近の該当馬柱例
2013年1月20日(日)中山11R芝2200m AJCC(GⅡ)に出走したのダノンバラードの前走データです。
前走金鯱賞はRPCIが53.7、PCI3が55.8。この差が約2.0以上あるようなら前潰れの展開です。
これが前走金鯱賞の結果。4着のトウカイパラダイスを除き、上位は差し・追い込み勢が占めています。(ちなみにトウカイパラダイスは次走日経新春杯を4番人気で3着しています)
ダノンバラードはこの展開の中で、逃げて0.6差の8着。
AJCCでは1番人気ルルーシュの単勝オッズ2.4倍に対して、ダノンバラードは3番人気で単勝オッズ6.0倍。
ダノンバラード軸で勝負できる条件は揃っていましたね。
このレースでダノンバラードは無事に3番人気で1着でした。
コメントを残す